2020.09.30

【UBS SuMi TRUST オンラインセミナー レポート】
2020年8月7日実施
コロナ後の世界を見据えて、いま取り組むべき課題とは

セミナー

資産運用

世界経済や金融市場の見通し、アナリストによる投資見解など様々なセミナーを開催するUBS SuMi TRUST。
「コロナ後の世界を見据えて、いま取り組むべき課題とは」と題した今回のセミナーは、初のオンライン配信にて開催いたしました。

第一部は、「コロナ後の世界経済とビジネスの未来」と題して、UBS証券株式会社ウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィスの青木大樹が講演。
第二部は、「新しい局面に備えて、企業・ファミリーがいま取り組むべき課題」と題して、UBS SuMi TRUST ウェルス・アドバイザリー株式会社の代表取締役社長、林敦が講演。

コロナによって変わった世界の現状と来るべき未来に向けて、日本の富裕層に必要とされる意識や思考、そして行動の変化とは。オンラインセミナーの内容をレポートでお届けします。
UBS証券株式会社ウェルス・マネジメント本部 チーフ・インベストメント・オフィス 青木大樹

世界はコロナ前から分岐点に立っていた

コロナによって世界はどう変わっていくのか。未来を読み解く上で、人々の潜在的な意識もひとつの重要なヒントとなるだろう。青木の講演によるセミナー第一部は、富裕層の意識の変化をグローバルな調査によって可視化する試みから始まった。

オンラインの画面を通じて提示されたのは、コロナ禍の5月に実施された世界の富裕層の意識調査の結果。そこでは、「もうライフスタイルは元に戻らない(75%)」といった富裕層の意識の変化のみならず、「人の少ない地域への移住を検討している(46%)」など、新たな生活様式に向けて具体的に行動をはじめようとする人々の実態が示されている。

中でも、特に若い投資家ほど経済的な影響を実感していると青木は述べた。

「ベビーブーマーと比べ、ミレニアルズは感染二波に備える貯蓄が十分になく、仕事を失うといった将来に対する懸念も大きい傾向があります。また、多くの投資家が今後投資機会が訪れると考えている中で、ミレニアルズはサステナブル投資への関心が高く、世界の変化により敏感になっている世代です」

UBS独自のグローバルなリサーチ体制によって導かれた多彩なデータ

一方で、世界はコロナ以前からすでに変わり始めていたという青木。

「世界で高齢化・サービス産業化・IT化が進む中、モノの取引量、貿易量の伸び率はもともと鈍化傾向にありました。世界の経済構造がコロナ以前から変わり始めていたのです。こういった変化の一部が、コロナショックによってさらに加速していくことが予想されています」。

また、近年のITサービス普及の加速度がどれほどのものか。あるデータで客観的に提示した。

「航空機や自動車などのテクノロジーは、誕生から50〜70年という年月をかけて5000万人のユーザーを獲得しました。それに対し、現代では例えば「ポケモンGO」の利用者が5000万人に到達するのに、わずか19日しかかかっていません。それほどまでに、ITサービスはあっという間に世の中へ普及し、産業構造を変えていってしまうのです」。

新しい時代に対応したビジネス・投資を考える機会

こういった変化がコロナによってますます加速していくという青木。「例えば、5Gや人工知能といった新しい技術は、今はまだ一部の業界で使われ始めている段階です。これからあらゆる産業へ普及していった時に、ITサービスで見られたような産業構造の変化のスピードはさらに加速していきます」。

一方、コロナによって大きな影響を受けたサービス業において、企業が生き残るための鍵となるのは、「コロナへの対応にかかるコストを上回る付加価値を提供ができるかどうか」。最新技術を活用するかどうかに関わらず、あらゆる業界で時代に合わせた変化が求められている。

さらに、米中関係の未来も含めた経済構造の変化から、これからの社会においては成長だけでなく経済やビジネスの持続可能性が重視されるようになるという青木。「例えば、海の生態系に影響を及ぼす問題が取り沙汰されている大型船舶のバラスト水の処理事業は、今後年率10%以上の成長が見込まれ。また、環境分野への取り組みに特化した資金調達を目的としたグリーンボンドは、このコロナ禍においても下落幅が小さく収まりました。持続可能投資はこれからますます注目が高まっていくでしょう」。

企業経営にとって、コロナショックは大きな負担であることは間違いない。しかし、このコロナショックが企業にとって利益構造を見直す機会でもあるのだと青木は言う。

「日本企業は、91%の部門が営業利益率10%に留まっていて、もともと利益構造に問題を抱えていました。コロナのダメージに対するショック療法としての企業再編や部門整理を、構造的な経営改革へとつなげることが重要です」。

このような今後の展望を語った一方で、リスクシナリオについても考えておく必要があることを指摘した。「コロナショックが起こり、政府・中央銀行は過去にない規模の財政拡大・金融緩和を行っています。今後、感染拡大と経済封鎖が断続的に続く中で、景気の回復は緩やかにならざるを得ず、企業のデフォルトは拡大するでしょう。また、財政拡大が続けば将来は増税が大幅に実施されるかもしれません。さらに、経済の成長構造が変わる中、日本の経常収支は将来赤字となるかもしれず、通貨の価値が変化する可能性もあります」。

目的別のポートフォリオ戦略「3L」

これまでとは異なる状況の中、不確実性の高い環境が続いていくだろう。こういった不確実な状況の中でどのように投資戦略を考えていくべきか、講演の最後に「3L」という目的別にポートフォリオを管理する戦略を青木から提案した。

「最初のLは流動性(Liquidity)、今後2~5年という比較的短中期の間、必要な出費を補うための資金を確保するポートフォリオです。2つ目のLは、老後(Longevity)への備え。5年から長期のスパンで、老後のライフスタイルを維持・向上を目指して資産形成を行っていく考え方です。最後のLは、資産承継(Legacy) 。流動性や老後の備えのポートフォリオがしっかり構築できていれば、余剰資金だけでなく次世代や社会のことを考えることもできるようになるのです」。

この「3L」はUBSがお客様へご提案する際にも活用するポートフォリオ戦略だ。UBSのサービスがこのような環境下で、いかに富裕層のお客様のお役に立てるのかについて以下の言葉で締めくくった。

「UBSは富裕層向けのリサーチ・投資戦略部門として、180名のメンバーが世界主要11の拠点でグローバルの経済マーケット状況を24時間体制で分析しています。その成果として、30の通貨、830以上の債券発行体、1800以上の株式銘柄、25のコモディティと広い資産クラスをカバーしています。また、新しいテクノロジーの活用やヘルスケア、食の革命や水のテーマなど、様々な長期テーマの投資戦略も作成しています。今後、我々の分析や投資アイデアが皆様のビジネスや投資の際に少しでもお役に立てればうれしく思います」。

社会の変化が、富裕層の多様な課題に影響を与える

第二部は、「新しい局面に備えて、企業・ファミリーがいま取り組むべき課題」とテーマを変えて、UBS SuMi TRUSTの林からの講演となった。今回の講演で中心となったのは、「事業の成長戦略・事業拡大」「事業承継・会社売却」「相続対策」「次世代教育」「社会貢献」という5つの分野。企業オーナーや経営者から多くのニーズが寄せられている。

UBS SuMi TRUST ウェルス・アドバイザリー株式会社 代表取締役社長 林敦

林による講演の1つ目のテーマは「事業の成長戦略・事業拡大」。サプライチェーン、ライフスタイル全体における劇的な変化は、事業経営にどのような対応を求めるのか。そんな問いから、講演は始まった。

「まずは、変化する事業環境において、検討すべき課題を幅広くリストアップすることが重要です。これまで当たり前と思っていたことがそうでなくなり、新しいニーズやスタイルが次々と誕生していきます。また、サプライチェーンやバリューチェーンの見直し、リモートワークの普及といったデジタル化の進展による働き方の変化など、企業が考えなければいけない課題は数多くあげられます。その中から重要度や緊急度に応じたプランニングをすることが重要なのです」。

企業ごとに千差万別の課題と向き合う中、成長戦略のプランニングをどう描くか。サポート役として、UBS SuMi TRUSTが提供できるオーダーメイド型のソリューションを紹介した。「UBSおよび三井住友信託銀行が、グローバルな視点と銀行・証券・信託の各機能において長期に渡って蓄積してきた高い専門性や経験を融合。幅の広いノウハウがあるからこそ、お客様ごとに特有のニーズに対して、オーダーメイドでソリューションを提供できるのです」。 

続く2つ目のテーマは「事業承継・会社売却」。新型コロナウィルスによるビジネス、株価への影響を踏まえ、事業承継プランを再検討する企業オーナーも増えている。その事業承継に向けて、今こそ企業オーナーの準備が重要なのだという。「2020年に入り、コロナの影響を受けて株価は大きく変動しました。株価は今の段階ではほぼ下落前の水準に戻りつつあるものの、リスクシナリオが発生する可能性もゼロではなく、まだまだ不安定な状況が続く可能性もあります。このようなリスクをチャンスに変えるべく、事業承継の準備は怠りなく進めておかなくてはいけません」。

ところで、事業承継においては、上場企業のみならず、非上場企業においても準備は欠かせないという。その理由を林は次のように述べた。

「非上場株式の評価は、事業内容が類似している上場会社の株式価額を参考に株式の評価が決定されます。つまり、類似業種の株価が下がれば、自動的に自社株式評価額も下がる。そのため、株価変動による事業承継コストは、非上場企業にも大いに影響を与えます。だからこそ、非上場企業であっても、承継の準備が重要になるのです」。

3つ目のテーマは「相続対策」。近年、スムーズな相続を実現するためには、遺言が有効に機能すると考えるお客様が増えている。そこには、遺産分割協議に多くの時間がかかるという背景がある。特に企業オーナーには、複雑なニーズや特有の課題を抱えるケースが見られると林は言う。「『子どもがいない』『相続人以外に与えたい』といったケースをはじめ、『相続人の一部に財産を特別に多く与えたい』『相続財産を分割しにくい』など、企業オーナーのお客様は、相続において解決すべき課題を抱えている方が少なくありません」。

そのような相続対策に向けた遺言活用において、豊富な実績を誇るのが三井住友信託銀行。相続に不安がある方は、相談相手の候補として検討していただきたい。

このような事業承継・相続を進めるうえで、財産はどのような形であるべきか、またあるべき財産の形を築くために、どのような資産運用をするべきか。一人一人目指すゴールが違い、リスク許容度も異なる資産運用において、絶対的なポートフォリオは存在しないが、参考になるデータを紹介した。「富裕層の資産運用ポートフォリオの1つの形として、世界のファミリーオフィスの平均的なポートフォリオを見てみると、長期運用で、複数に分散投資して、リスクを抑制していることがわかります。一方で、一般的に、日本人投資家は、短期売買に走りやすい傾向にあります。NYダウの過去30年間の推移を振り返ると、長期的な経済成長に伴い、株価は右肩上がりとなっています。この間、長期で運用していれば、経済成長の恩恵を受けることができたのです」。

世界のファミリーオフィスの平均的なポートフォリオ

長期で運用し、複数に分散投資すること。こうした資産運用における重要なポイントに触れつつ、運用の注意点にも言及した。

「長期的な運用が重要な一方で、短期的な市場のボラティリティの影響を大きく受けることもあります。コロナというリスクの台頭を受けて、インフレ率の上昇、悪い金利上昇といったリスクも考えられます。それらすべてに個人が対応することは難しい。だからこそUBSでは、ノウハウを集約した運用ソリューションである投資一任運用サービスを提供しています。世界各国の幅広い資産クラスにアクセスし、多岐に渡るグローバルな投資対象への分散投資を可能にしています」。 

世界水準のサービスを日本のお客様へ

講演の最後に林から語ったのは、UBS SuMi TRUSTのトータル・ウェルス・マネジメントについて。「スイス伝統のウェルス・マネジメントを本業としてグローバルに富裕層ビジネスを展開するUBSと、本邦唯一の専業信託銀行グループとして、信託分野の専門性と総合力を駆使したソリューションメニューを持つ三井住友信託銀行の2社がそれぞれの強みを融合させて、世界水準のサービスを日本のお客様に提供いたします。お客様の大切な資産を守り、育てる包括的なソリューションサービス。さらには、金融商品・サービスのみならず、産官学や他社とのタイアップも図りながら、富裕層のお客様の多面的かつ複雑なニーズをフルサポートできる体制を構築していくことを目指しています」。

気になってはいるけど手をつけられていない。そのようなお悩みやご希望を抱えている方は、ぜひUBS SuMi TRUSTを検討してみていただきたい。

青木 大樹(あおき だいじゅ)

UBS証券株式会社

ウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィス(CIO) 日本地域最高投資責任者兼日本経済担当チーフエコノミスト

2016年11月より、UBSウェルス・マネジメントの投資戦略・調査部門であるチーフ・インベストメント・オフィスにて、日本地域最高投資責任者兼日本経済担当チーフエコノミストを務める。マクロ経済、為替、債券等投資調査及びハウスビューの顧客コミュニケーションを担当。2010年8月、エコノミストとしてUBS証券会社 (現UBS証券株式会社) に入社後、インベストメント・バンク、ウェルス・マネジメントにて経済調査、外国為替を担当。以前は2001~2010年までの9年間、内閣府にて政策企画・経済調査に携わり、骨太の方針の策定や経済財政の見通し・影響・分析などを担当。ブラウン大学大学院 (米国ロードアイランド) にて経済学修士号取得。Newsモーニングサテライト、日経モーニングプラス コメンテーター。

林 敦(はやし あつし)

UBS SuMi TRUST ウェルス・アドバイザリー株式会社 代表取締役社長

1987年住友信託銀行(現、三井住友信託銀行)に入社。事業法人営業・企画を約15年間経験の後、年金および生保・地銀などのプロ機関投資家向け運用営業に従事し、2008年のリーマンショックを受けて、個人資産運用ビジネスモデルの再構築を図るべく、個人の資産運用をサポートする投資営業推進部(現、投資運用コンサルティング部)へ異動。部長として個人投資家への「コア&サテライト運用戦略」の啓蒙と、実践に向けたサポートに注力。その後、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社で執行役員営業第一部長として、主に地銀向けに、預かり残高積上げに向けた運用営業スタイルを提案するなど、法人から個人、融資から資産運用に関する幅広い経験を有する。

※掲載の情報は2020年8月7日時点のものです。


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